省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金の賃上げ目標を解説!

中小企業省力化投資補助金の賃上げ目標を解説!

中小企業省力化投資補助金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上と競争力強化を図るため、省力化製品の導入を支援する制度です。
公募要領が公開されており、これから申請の準備をしようと考えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
中小企業省力化投資補助金の重要なポイントの一つに賃上げ目標があり、要件の中に含まれるとともに、採択のカギを握る重要な要件と言えるでしょう。
そこで今回は中小企業省力化投資補助金の賃上げ目標について詳しく解説していきます。

中小企業省力化投資補助金とは

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に直面している中小企業がIoTやロボットなどの効果的な汎用製品を導入することで、企業の付加価値や生産性の向上を図ることを目的としています。
正式には「中小企業省力化投資補助事業」と称され、経済産業省が関連情報を提供しています。
中小企業省力化投資補助金のホームページ

公募要領が公開されているため、詳しい内容は公募要領を確認しておくことをおすすめします。
中小企業省力化投資補助金の簡単な概要は下記の通り。

経済産業省 「経済産業省関係令和5年度補正予算の概要」 )

カタログに掲載された製品を導入する企業に対して、下記の金額を補助します。

従業員数 補助率 補助上限額(通常) 補助上限額(大幅な賃上げを行う場合)
5人以下 1/2 200万円 300万円以下
6~20人以下 1/2 500万円 750万円以下
21人以上 1/2 1,000万円 1,500万円以下

カタログに掲載される機器は現在公開されているものの、まだまだこれから増えていく見込みです。
常時ホームページで確認していくことをお勧めします。

基本要件の中に賃上げの目標 が含まれる

中小企業省力化投資補助金は中小企業の生産性を高めて、賃上げを図るという目的が含まれています。
そのため、基本要件の中に下記の賃上げ目標が含まれています。

申請時と比較して、 (a)事業場内最低賃金を 45 円以上増加させること、(b)給与支給総額を 6%以上増加させることの双方を補助事業期間終了時点で達成する見込みの事業計画を策定した事業者は、補助上限額を(1)の表中括弧内の額に引き上げる。ただし、申請時に賃金引き上げ計画を従業員に表明していることが必要である。また、自己の責によらない正当な理由なく、賃上げの目標を達成できなかったときは、補助額の減額を行う。
なお、給与支給総額を用いることが適切ではないと解される特別な事情がある場合には、給与支給総額増加率に代えて、一人当たり賃金の増加率を用いることを認める。
給与支給総額、事業場内最低賃金は、実績報告を行う時点で期末を迎えている直近の事業年度の値を用いるものとする(3-4.(3)を参照)。

※給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び常勤役員に支払った給与等(給料、賃金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く。ただし、役員報酬を意図的に操作していると疑われる場合は、役員報酬を適用外とする場合がある)をいう。
※事業場内最低賃金とは、補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金をいう。

ポイントは

  • 賃金を大幅に引き上げることで、補助金額の増加が可能に
  • 事業場内最低賃金を45円以上増加させる
  • 給与総額を6%以上増加させる
  • 従業員に賃上げ計画を表明する
  • 目標を達成できなかった場合は補助額の減額を行う
  • 給与総額は常勤役員の役員報酬も含まれる

という点になります。
賃上げ目標とありますが、正当な理由がなく達成できなければ減額になる可能性が高いので、必ず達成する必要があります。
少人数の中小企業であれば、人件費増はそこまで負担にならないかもしれませんが、人数が多い中小企業であれば、負担はそれだけ大きくなります。
事業計画書をしっかりと策定した上で、採算がしっかりとれるのか検証しながら進めていくことをおすすめします。

目標を達成できなかった場合、補助額はどのくらい減額されるのか

賃上げ目標が達成されたなかったときは下記の通りの対応となります。

補助事業期間終了時の実績報告において賃上げの目標が達成できていないことが確認された場合、補助額の確定の際、補助上限額の引き上げを行わなかった場合の補助額と等しくなるように補助額を減額します。このとき、事業場内最低賃金の引き上げ額及び給与支給総額の増加率は、それぞれ交付申請時に提出した値と実績報告で提出した値を比較して計算します。
また本目標を達成するために報告対象期間のみ賃金を引き上げ、実績報告以降に賃金を引き下げることは認められません。自己の責によらない正当な理由なく、効果報告時点での給与支給総額または事業場内最低賃金が実績報告時点の値を下回っていた場合、補助金の返還を求める場合があります。

補助金額が減額になる具体的なケースは下記の通り。

「B社は従業員数20人の小規模製造業で、中小企業省力化投資補助金を利用して高性能な製造機械を導入しました。この投資により、生産性の向上を目指し、従業員の賃金上昇も計画していました。補助金の申請にあたり、事業計画では事業場内最低賃金を45円以上、給与支給総額を6%以上増加させる目標を設定しました。補助金の上限額は、通常の500万円から、賃上げ計画を達成できれば750万円まで引き上げられることになっていました。

しかし、補助事業期間終了時における実績報告では、予想外の市場の落ち込みと原材料費の高騰により、業績が計画通りに伸びず、給与支給総額の増加率が目標の6%に満たない5%にとどまり、事業場内最低賃金の増加も目標に届かない状況でした。この結果、賃上げの目標が達成できなかったと判断され、補助金の上限額の引き上げは行われませんでした。

そのため、補助額は賃上げ目標を達成していない場合の基準である500万円に設定され、当初計画していた750万円から250万円減額されました。更に、賃上げを報告対象期間のみで実施し、その後賃金を引き下げる行為は禁止されているため、B社は補助金の条件を満たすために、今後も継続して賃金の維持を図る必要があります。補助金の減額は、B社の事業計画にとって大きな影響を与え、今後の資金調達や事業展開において、計画の見直しが必要になる可能性があります。」

このように、賃上げが目標水準以下の場合、補助上限金額が減額になる可能性があります。
無理せず達成できる計画を策定しておきましょう。

従業員の範囲とは?パート・アルバイトは含まれる?

賃上げ目標を設定する上で、従業員の範囲を確認しておくことも重要です。
公募要領の中に「常勤従業員は、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)上の「常時使用する従業員」をいい、労働基準法(昭和22年法律第49号)第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」と解される」という記述があります。
そのため、従業員の範囲は下記になると考えられます。

  • 正社員
  • アルバイト、パート
  • 契約社員
  • 出向社員

具体的に解説していきます。

正社員

正社員はもちろん従業員数に含まれます。
しかしながら、雇用してから14日以内の試用期間の場合、解雇予告を必要としないため、従業員の対象にはなりません。

アルバイト、パート

アルバイト、パートも原則従業員に含まれます。
しかしながら、2か月以内の期間を定められて雇用している場合または季節的業務に4か月位以内の期間を定められて雇用されている場合は、従業員としてカウントされません。
最初は上記の期間を予定していたが、予定より長引き期間を超えてしまった場合は、従業員としてカウントされます。

契約社員

契約社員も原則従業員としてカウントされます。
しかしながら、アルバイト、パートと同じく2か月以内の期間を定められて雇用している場合または季節的業務に4か月位以内の期間を定められて雇用されている場合は、従業員としてカウントされません
最初は上記の期間を予定していたが、予定より長引き期間を超えてしまった場合は、従業員としてカウントされます。

出向社員

自社が他社に出向社員を送り出している場合は、従業員としてカウントされます。
自社に他社から出向社員が来ている場合は、従業員としてカウントされません。

従業員の定義については下記の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。

https://mono-support.com/shoujinka/employee-2/

弊社のサポートについて

弊社はカタログに登録したい事業者・代理店様および中小企業省力化投資補助金を活用して機器・製品を導入したい中小企業様どちらにもサポートを提供しております。

カタログに自社製品を登録されたい事業者様・代理店様へ

中小企業省力化投資補助金のカタログに、自社の機器や製品を登録、掲載されたい事業者様や販売代理店様はお気軽にお問い合わせください。弊社で本制度の説明から、どのような機器や製品が対象となるのかのアドバイスも含め、親身にサポートをさせていただきます。もちろん、貴社の事業者登録(販売事業者登録、製造事業者登録)のほか、製品登録もサポートいたします。

補助金を利用して機器・製品を購入されたい中小企業者様へ

本補助金を活用して機器や製品(省力化製品)を購入されたい中小企業者様、個人事業主様について、補助金の申請サポートやアドバイス、採択後の交付申請事業実績報告(事業実施効果報告)の提出等、補助金が入金されるまでワンストップでサポートを行わせていただきます。

弊社では事業再構築補助金やものづくり補助金などの補助金サポートの実績が豊富にあります。気になることがありましたら、まずお気軽にご相談いただければと思います。

まとめ

今回は中小企業省力化投資補助金で重要な賃上げ目標について解説してきました。
ポイントは下記の通り。

  • 賃上げ目標の達成によって。補助金額の増額ができるが、達成できなかった場合は補助額の減額される可能性がある。このため、実現可能な目標設定が重要。
  • 事業計画書において、賃上げ目標達成のための具体的な計画を立てる必要がある。
  • 補助金を申請する際には、従業員に対して賃上げ計画を伝える必要性がある
  • 従業員の定義には、正社員だけでなくアルバイトやパート、契約社員も含まれる。

 

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